インプラント

インプラントとは

インプラントとは虫歯や歯周病で歯を失った部分に、人工で作られた歯根を埋め込み土台とし、その上に人工歯を被せて補う治療方法です。
従来、歯を失った場合の治療方法は入れ歯やブリッジが一般的でした。しかし近年は天然歯に近い見た目や噛み心地のインプラントで治療を希望される方が増えています。

インプラントの目的

好きなものをよく噛んで食べられる
インプラントは人工歯根を埋め込み、天然歯のように生活できるため今までと同じように食事をよく噛んで食べることができます。入れ歯の場合、噛み心地が悪くかたい食べ物は噛みにくい、食事の温度が感じにくい、というようなことがあるでしょう。また食事中に外れてしまった、入れ歯の隙間に食べかすが入り込んで気持ちが悪いなど、なかなか食事を楽しめないという方もいらっしゃいます。インプラントであれば食事中の違和感もないため、好きなものを味わって食べることが可能です。
会話も歌も楽しめる
入れ歯を使っていると発音や会話がスムーズにいかず話しにくい、入れ歯の生活になってから歌が歌えなくなったという方がいます。インプラントの場合、見た目も天然の歯のように自然で会話がしにくいと感じることはほとんどありません。もちろん今まで通り歌も思いっきり歌うことができます。
顔つきが変わり若々しく
歯を失ってそのままにしておくと骨がやせていき、筋肉も使わないので衰えてしまいます。すると、ほおが落ちて老けた顔つきになっていきます。インプラントでは顎の骨が少ない場合、骨を補填して人工歯根を埋めます。また、天然歯の時と同じように食事ができるため、噛む筋肉も衰えることがなく顔つきも若返ります。
残っている歯を守る
インプラントは他のまだ残っている歯を守るという目的もあります。歯を失った時、インプラントの他にはブリッジや入れ歯で補う方法があります。その場合健康な歯を削ったり、歯にクラスプというばねをかけたりする必要があり、他の歯に負担をかけることになります。インプラントの場合は失った歯を補うために他の歯に影響を及ぼす心配はありません。

インプラントの構造

インプラントは主に下記の3つのパーツで出来ています。人工歯(上部構造)とはインプラント体の上の歯になる部分です。上部構造はいくつか種類がありますが、セラミックやジルコニアといった天然歯に近い見た目で噛み心地の良い材料が使われることが多いです。

支台部・連結部分(アバットメント)とはアバットメントはインプラント本体と人工歯をつなげるための土台の部分です。

支台部・フィクスチャー(インプラント体)とは顎の骨に埋め込む部分です。インプラント体に使われる材料は、身体と親和性が高い素材のチタンもしくはチタン合金という金属です。チタンで金属アレルギーを起こすことは極稀ですのでご安心ください。チタンアレルギーの方はご相談ください。

インプラントと入れ歯やブリッジの違い

インプラントと入れ歯やブリッジの大きな違いは、歯を削ったりクラスプというばねをかけたりする必要がないので、健康な歯へ負担をかけずに治療ができる点です。
そして入れ歯やブリッジと比べて見た目も自然で、良い噛み心地が長く続きます。
しかしインプラントはブリッジや入れ歯のように保険治療では行えません。

インプラントと天然歯との違い

歯根膜の有無
天然歯には噛む力をコントロールできるクッションのような役割をする歯根膜が存在します。インプラントには歯根膜がないため噛み合わせに注意が必要です。
歯肉線維の違い
天然歯と歯肉は歯肉線維が垂直に入り組むことで強く付着しています。インプラントの場合は歯肉線維が水平に添うように付着しています。その結果、付着力が弱く線維がはがれやすいため、炎症が進行しやすくな ります。
血液供給の違い
天然歯は歯肉、骨、歯根膜の三方向から血液供給があり、歯周ポケットに細菌が侵入してもそれを排除しようとする働きがあります。インプラントの場合、歯肉と骨の二方向のみのため侵襲に対する抵抗力が低く なります。

インプラントはこんな方にお勧めの治療です

ブリッジで健康な歯を削ることに抵抗のある方(1本だけ歯がない方)

インプラント治療なら他の健康な歯を傷つけません。
他の健康な歯を大切にしたい方にはお勧めです。
ブリッジ治療をする場合は、土台のために隣の歯を削る、場合によ必要性があります。
削るだけでなく神経を抜かなくてはなりません。
神経(歯髄)を抜いた歯は健康な歯よりもろいので、ブリッジを長く使っているうちに歯根が割れてしまうこともあります。
インプラント治療なら、隣の歯を傷つけず、健康な歯を守りながら、欠損した歯だけを治療できます。

入れ歯で楽しく食事を楽しめていますか?

天然歯で噛む力が100%だとすると入れ歯では30%程度だといわれています。粘膜に吸着している入れ歯だと必然的に噛む力が弱くなります。
しかし、インプラントだと骨にしかりとボルトが埋まっているので自分の歯のように噛むことができます。

嘔吐反射があって義歯をつけられない人

上顎の粘膜に入れ歯が触れると嘔吐を誘発することがあります。これは生理現象なので個人差があり制限することが難しいのが現状です。嘔吐反射が強い患者さんは入れ歯を装着することが難しいため、この 場合はインプラントを選択するのがおすすめです。

入れ歯を取り外して清掃することにわずらわしさを感じる方

入れ歯は食事のたびにお口から取って清掃しなくてはなりません。家族の前ですら、入れ歯をはずしているところを見られたくないという方は多くいらっしゃいます。特にご年配の方だと、孫の前では・・・と気を配る方々も多いようです。手入れや扱いが入れ歯だと大きな負担になります。
清掃が不十分だと歯周病(歯槽膿漏)の原因にも繋がります。

インプラントはこんな方には合わない治療です。

骨粗鬆症の方

骨粗鬆症は骨の密度が低くなり、骨質が低下しているといえる状態です。
骨粗鬆症でもインプラントは可能ですが、飲んでいる薬(ビスホスホネート系製剤など)によっては顎のが壊死するリスクが高かったり、術後のインプラントの定着の予後が悪くなるケースがあり、注意が必要です。インプラント治療を行う歯科医師と、骨粗鬆症の治療の担当医と必ずよく相談をして治療を行う必要があります。

糖尿病、心筋梗塞、重い全身疾患のある方

糖尿病によって血糖値のコントロールが難しくなっていたり、高血圧・心臓病・肝臓病・腎臓病といった病気を患っている人は、インプラント治療でのリスクの可能性が高まります。
ただ、糖尿病であっても血糖値コントロールがうまくできているケースなど、場合によってはインプラント治療が可能となるケースもあります。
かかりつけの内科医と必ず話し合ったうえで、ご自身がインプラント治療が可能なケースにあたるか否かを判別してもらいましょう。独断で治療を受診ことは危険を伴います。

妊娠中の人・年齢が20歳以下、もしくは85歳以上の人

顎や歯の成長途中にある人や、手術や継続的な定期検診が難しい可能性がある高齢者の人は、インプラント治療を避けたほうがよいとされます。
また、妊娠中の人は体調が不安定になるため、治療は安定期に行うか、出産後に行うほうが安心といわれています。

治療後の定期健診・メンテナンスを継続するのが難しい人

インプラント治療は手術時だけでなく、その後のメンテナンスが非常に重要となります。
そのため、定期検診を継続して行い、クリーニングなどの処置を受ける必要があります。
家での歯磨きだけでは不完全な為、インプラントだけでなく、他の健康な歯もしっかりと維持・守っていく為にも定期的な当院でのメンテナンスをお勧めします。数か月に1度のメンテナンスで歯、歯の神経(歯髄)を 失わずに済むと考えると定期健診・メンテナンスはメリットしかありません。

中村歯科のインプラントの流れ

  • STEP01

    検査

    歯科専用CT(コンピューター活断撮影器)を使って神経や血管の位置、あごの骨のくぼみや傾きなどを確認します。通常のレントゲンでは骨の影になった部分にある神経や血管は確認できないので、歯科専 用CTでとることが重要です。

  • STEP02

    カウンセリング

    患者様の正しい症状を知るために、カウンセリングを行います。治療に対しての不安を解消するためにも、ここでしっかりと医師とのコミュニケーションをとっておきましょう。有料で行っているクリニックもありますが、アイデンタルクリニックでは無料で行っているので気軽にカウンセリングを受けられるのが魅力です

  • STEP03

    治療計画

    歯科専用CTやカウンセリングなどの結果から、お客様に合った治療計画を提案します。インプラント治療は人によってかかる期間や回数が大きく異なるので、ここで確認しておくと良いでしょう。

  • STEP04

    1次手術

    歯茎を切開してあごの骨を削り、土台部分である「インプラント体」を埋め込みます。手術時間は1~3時間で日帰りが可能なので、心身への負担は少なくて済むでしょう

  • STEP05

    治療期間

    インプラント体と骨の結合を強くするために、2~3ヶ月治療期間(オッセオインテグレーション)をおきます。この期間中に仮の歯を使用できることもあるので、医師に相談してみてください。

  • STEP06

    2次手術

    再び歯茎を切開し、インプラント体に人工歯を接続する部分である「アバットメント」を取り付けます。スクリューでインプラント体に固定しているので手術時間も短くて済み、日帰りが可能です。また現在は1次手術と2次手術を同時に行う方法が主流です。

  • STEP07

    人工歯の作製・装着

    2次手術から1~6週間おいて歯茎が治ったら、人工歯の型を取って作製・装着を行います。固定方法は、スクリューで固定する方法とセメントを使用して固定する方法の2種類ありますが、スクリュー固定の方がインプラント周囲炎に対して有利であると言われています。

  • STEP08

    メンテナンス

    インプラントの固定が緩まっていないかなどの不具合や噛み合わせの確認の他に、口の中を衛生的に保つために定期的にメンテナンスを行います。ブラッシングが苦手・上手くできていない方などにはブラッシング指導もさせて頂く場合がございます。

インプラントを終えられた方へ
メンテナンスの重要性

「インプラント治療後=終わり」と考え、ホッと気を緩められる方が多いと思います。しかし、実際にはインプラント治療が終わった段階で新たなスタート地点に立っています。
メンテナンスというスタート地点です。インプラントは丈夫です。しかし、人工物には変わりません。天然歯と比べると劣ることは明白です。天然歯でもしっかりとメンテナンスをしないと虫歯・歯周病になるのですから、人工物であるインプラントはより配慮し、メンテナンスをしなければなりません。定期健診とブラッシングなどのセルフケアを怠ると、インプラント周囲炎などのトラブルが起こり、インプラントだけでなく、周りの健康な歯にも影響がでます。

インプラントでも歯周病になる?
インプラント歯周炎とは

インプラント治療後も定期的な歯科医院でのメンテナンスと毎日のケアが大切です。
インプラントは虫歯になりませんが、治療後のケアをしっかり行わずプラーク(歯垢)が溜まってしまうと、インプラント周りの粘膜や顎の骨に炎症が起こり歯周病のような「インプラント周囲炎」になる可能性があります。インプラント周囲炎は治療が難しく、治療を続けても改善されない場合はインプラントを抜かなくてはいけない場合もあります。
インプラント治療が終わっても定期検診、日々のメンテナンスを怠らずにお口の中を清潔にすることを心がけましょう。

インプラント周囲炎には兆候がない…?

インプラント周囲炎が恐いのは、恐ろしい結果を招く病気であるのに、兆候をつかみづらい点です。
インプラント周囲炎は名称に「炎」と入っているのに、初期段階では炎症を起こしません。そして痛みもありませんし、出血もありません。インプラント周囲炎が始まっているのに、違和感なく食事をすることもできます。
これは歯周病とはまったく異なる傾向です。歯周病では初期段階から歯肉に小さな刺激を与えただけで簡単に出血します。初期の兆候がみえにくいインプラント周囲炎なのですが、病気の進行はとても速く、歯周病の10~20倍のスピードで悪化するといわれています。

インプラント周囲炎の兆候をつかむには

出血も痛みもないため、自身がインプラント周囲炎の初期段階を認識することは非常に困難です。しかし、インプラント周囲炎の兆候をつかむ方法があります。
それは定期健診でチェックを定期的にしてもらうことです。
インプラント周囲炎が発症している場合、歯医者がインプラントと歯肉の間を専用に器具で刺激するとジワっと出血します。インプラントに異常がなければ、その程度では出血しないので、出血したらインプラント周囲炎を疑うことになります。何度も言いますが、メンテナンス・定期的は非常に大切であり、インプラント治療と定期的な健診はセットです。

インプラント周囲炎は知られていない・軽視されている!

これだけ恐ろしいインプラント周囲炎・・・あまり知られていない・・
軽視されています。

それには主に次の2つの要因があるといわれています。

  • インプラントは非常に丈夫で病気にかからないと誤認されている為
  • 名称から「インプラントの周囲が炎症するだけの病気」と誤解されている為

インプラントはチタンですので、虫歯になりません。
また歯周病菌もインプラントを溶かすことはできません。
しかしだからといってインプラントに虫歯菌や歯周病菌を叩く効果があるわけではありません。つまりインプラント自体は病気にかからなくても、インプラントに接触している歯肉や顎の骨は最近の攻撃にさらされます。
インプラントを入れている方は、今日から「インプラント周囲炎はとても怖い病気」と認識するようにしてください。
インプラント歯周炎かどうか確認したいという方はお気軽に当院にご来院ください。

インプラント歯周炎の主な原因

  • 喫煙

    タバコはNGです。禁煙しましょう。
    タバコは血管を収縮させる効果があります。血管が収縮すると血液の巡りが悪化します。血液の流れが滞ると細胞に栄養と酸素が届かず、細菌に打ち負けてしまいます。
    この状態を「抵抗力が落ちた」「免疫力が落ちた」といいます。それではインプラント周囲炎を引き起こす細菌を叩くことができません。

  • 糖尿病

    糖尿病の場合、術後の傷口の治癒や骨結合に悪影響を及ぼす恐れがあり、インプラント周囲炎を引き起こしやすくなります。

  • 貧血

    貧血によって組織が酸素欠乏に陥ると、術後感染を起こしやすくなり、インプラント周囲炎を発症することがあります。

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